寿福寺山門の左隣にあるのは八坂神社である。正式には八坂大神。もとは相馬天王(そうまてんのう)といい牛頭天王(ごずてんのう)を祭神とした。明治の神仏分離令で八坂神社となり、祭神は素戔雄命(すさのおのみこと)、桓武天皇、葛原親王(かずらわらしんのう)、高望王(たかもちおう)となった。正式には八坂大神(やさかだいじん)という。扇ガ谷の鎮守。例祭は七月十二日。相馬師常の勧請により、巽荒神のあたりにあったが、後に泉ヶ谷の網引地蔵山に移り、さらに寿福寺本堂脇、そして現在地に移ったという。相馬師常は頼朝の重臣、千葉常胤(ちばつねたね)の子。相馬氏を継ぎ、頼朝挙兵の際に父とともにこれを助けた。相馬天王の神輿は昔、鉄でこしらえてあったが、祭りの日にはかならず事故が起こり、危険なため木のものにしたという。この神輿は六角形で京都の祇園社(八坂神社)と同じ形だという。境内には「元神輿之碑」がある。境内社に子神社(ねのじんじゃ)がある。また銭洗弁天は、この神社の境内末社である。
八坂神社