市役所前を通る市道と鎌倉から藤沢方面へ向う県道32号線付近が合流する八雲神社前交差点の傍にあるのは八雲神社である。笛田の鎮守で祭神は素戔雄命(すさのおのみこと)、速玉之男命(はやたまのおのみこと)、伊弉冊命(いざなみのみこと)。例祭は7月の第一日曜日から7日間。もとは天王社、常盤天王とも呼ばれていた。創建年など詳細は定かではなく、いくつかの説がある。まず、治承年間(1177〜1181)に建立し、後に熊野社を勧請、合祀したというもの、慶長年間に矢沢与左衛門尉光広という人物が創建したというものなどである。また別の伝承には昔、梶原にあった加護社という社の御神体が洪水でこの地に流れ、農民がひしゃくですくって山にお祀りし、とれたばかりの麦を炊いて麦飯を供えたというものがある。このため、参拝の時、「常盤の天王、麦天王、竹の子びしゃくで水かけろ」と言うしきたりがあるそうである(『かまくら子ども風土記』中巻)。このような御神体流出伝承は、山崎の北野神社などにもある。明治に付近にあった諏訪神社、御嶽神社を合祀した。隣には、日蓮宗の円久寺がある。
常盤の八雲神社