鶴岡八幡宮上宮西側の小高い丘の上にある社は丸山稲荷である。祭神は倉稲魂神(うかのみたまのかみ)。例祭は4月9日。2月には初午(はつうま)、11月には火焚祭がある。鶴岡八幡宮は康平6年(1063)に源頼義が現在の元八幡のある場所に石清水八幡宮を勧請したのに始まり、源頼朝が治承4年(1180)に鎌倉入りすると、現在の若宮の場所に移った。しかし、建久2年(1191)に大火災によって現在の若宮の位置にあった八幡宮は焼失してしまった。頼朝は火災から上宮を守るため、後ろの大臣山の山腹を切り崩して、そこに社を建てた。しかし、その地にはもともと地主神として、稲荷社があった。そのため、この稲荷社を隣の丘に移した。その稲荷社が現在の丸山稲荷である。社殿の応永5年(1398)のもので、円覚寺の舎利殿とならび鎌倉では古い建築で重要文化財である。
丸山稲荷