鎌倉駅西口から今小路を寿福寺の方向へ向かう途中の横須賀線線路際にあるのが巽荒神である。巽神社や単に荒神。祭神は奥津日子神(おきつひこのかみ)、奥津日女神(おきつひめのかみ)、火産霊神(ほむすびのかみ)。例祭は11月28日。元村社で扇ガ谷の鎮守である。創建は延暦20年(801)、蝦夷征伐に向かう坂上田村麻呂が葛原岡に勧請したのが始まりだという。源頼義が永承4年(1049)に社殿を修理したと伝え、また鎌倉時代初期に現在地に移り、寿福寺の南東の方角(巽)にあたったのでこの名が起きた。寿福寺、浄光明寺の鎮守であった。現在の社殿は天保6年(1835)の建立で大正12年(1923)の関東大震災で倒壊し、同14年(1925)に修復した。境内社に諏訪社がある。
巽荒神