梶原の御霊神社は、鎌倉市立深沢小学校近くにある。一般に御霊神社というのは怨霊を慰めるためや、土地の祖先を祀るための社というのが大意であるが、鎌倉では特に鎌倉権五郎景正を祀っている場合が多い。この梶原の御霊神社も祭神は鎌倉権五郎景正である。梶原の鎮守。例祭は9月17日に近い休日。その創建など詳細は不明であるが、このあたりは鎌倉平氏の子孫にあたる梶原氏と関係が深いことから、梶原氏が祖先の霊をここに祀ったものと考えられている。社には鎌倉景正夫妻の木像とともに梶原景時の木像が存在する。また、梶原景時の墓と伝えるやぐらが社の西南、深沢小学校裏手の山裾にある(実際には梶原景時ら一族は静岡狐崎で戦死しているので、このやぐらにある塔は供養塔と考えられている)。しかし、江戸時代の史料には、鎌倉景正の子孫が創建したと伝えるが、いずれにせよ鎌倉平氏ゆかりの社であることに変わりはないだろう。長谷坂ノ下の御霊神社(鎌倉権五郎神社)は、この社を移したものと伝えられる。もと等覚寺の管理であったらしい(『新編相模国風土記稿』)。
梶原の御霊神社