七里ヶ浜駅を出た電車が鎌倉方面に向かうと、まもなく行合川に架かる鉄橋を渡る。この川は日蓮の雨乞い伝説で知られる田辺が池北方の山合から流れ出し、七里ヶ浜の相模湾に注ぐ。全長は1kmに満たない短い川である。現在は鎌倉市七里ヶ浜浄化センターから排出される処理水が、河川水量の大部分を占めている。
行合川に架かる鉄橋と江ノ電
文永8年(1271)、竜ノ口の刑場で日蓮が処刑されそうになった時、奇瑞が起きて処刑が実行できなかったことを鎌倉に伝える使者と、時頼の命で日蓮の赦免を伝える幕府の使者が、この川の付近で行き合ったという。川の名はこれに由来しているという話が江戸時代の地誌に見えている。この川の河口付近や稲村ケ崎海岸では砂鉄が採取できる。故に付近には金洗沢といった地名が残っている。