鎌倉駅前から若宮大路に出ると桜の並木が両脇に並ぶ少し高くなった参詣道がある。長さは四百五十七メートル。鶴岡八幡宮の参道である。別に置石(おきいし)や作道(つくりみち)とも呼ばれる。そのため現在もこの辺り置石町と呼んでいるのは段葛に由来している。寿永元年(1182)に頼朝が鎌倉都市建設の一歩、また妻政子の安産祈願を祈って造ったものである。この参詣道は昔は由比ガ浜まであったそうだが、明治になり江ノ電や横須賀線などの鉄道敷設によって、大部分が失われた。現在は鎌倉警察付近の二ノ鳥居から赤橋前の「八幡宮前」交差点までが残っている。両脇の桜は大正頃から植え始めたものだという。名前の由来は、かずら石を敷いてつくったものだからだという。ニノ鳥居の付近に石碑がある。
現在の段葛