本覚寺の山門の脇に夷堂橋の石碑が立っている。碑には「鎌倉十橋の一つで、このあたりは昔は夷堂があったという。この川(滑川)は上流は胡桃川と言い、浄妙寺門前に至ると滑川の名前がある。文覚屋敷と伝えられるあたりでは座禅川と唱え、このあたりでは夷堂川と呼び、延命寺の傍らではすみうり川と名付けられている。閻魔堂の址のあたりでは閻魔堂川という」といった意味の言葉が刻まれている。夷堂は、もともとは鎌倉幕府の鬼門にあたる位置に守護神として建てたもので、文永11年(1274)に佐渡配流から帰った日蓮が一時住居にした場所とされている。夷堂は明治時代に神仏分離によって本覚寺から移され、小町の蛭子神社となった。しかし、昭和56年(1981)に本覚寺境内に再建された。


夷堂橋の石碑

撮影日:2010年10月27日
鎌倉市小町1丁目
(鎌倉郡小町村)

夷堂橋。奥は妙本寺の参道 本覚寺山門と石碑
石碑


位置

参考文献

稲葉一彦『「鎌倉の碑」めぐり』、表現社、1982年
『かまくら子ども風土記(改訂十版)』、鎌倉市教育委員会、1991年

2011/01/05 UP
2011/01/06 誤記の訂正
2017/05/30 CSS改修
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