笛田公園のほど近くにある寺は、日蓮宗笛田山仏行寺である。開山は仏性院日秀。明応四年(1495)の創建と伝える。本尊は曼荼羅。もと比企ヶ谷の妙本寺の末寺。本堂は関東大震災で倒壊したため、その後建て直された。
この仏行寺には次のような伝説がある。むかし、梶原源太景季(かじわらげんたかげすえ:1162〜1200、梶原景時の長子)が一族とともに鎌倉を追われ、狐崎(静岡)付近で戦死)が戦死したとき、妻の信夫はひどく悲しみ、今の仏行寺の裏山に登って自害した。その霊は、長くこの地に残り、毎夜信夫の夫を慕う泣き声が聞こえ、付近の村人たちが信夫の霊を慰めるため仏行寺を建てたという。仏行寺の本堂裏手より山に登ると、 丸く土盛にされた塚がある。これは源太塚と呼ばれ、景季の片腕を埋めた塚であるという。妻の信夫の塚である「しのぶ塚」もこのあたりにあったものとされる。
山門