腰越の小動神社の向かい側には浄泉寺がある。真言宗で正式には小動山(こゆるぎさん)松岩院(しょうがんいん)浄泉寺という。もと手広の青蓮寺の末寺。現在は京都・大覚寺の末寺。開山は空海と伝え、中興開山は元秀(げんしゅう)であるが、創建の由来など詳しいことは不明だが、一説に弘仁10年(819)の建立と言われている。かつては小動神社の別当寺であり、明治の神仏分離以後も小動神社と一体であった。この状態は大正6年(1917)まで続いていた。本尊は不動明王であるが、この像は左手に剣を持つ変わった像容である(不動明王像は通常は右手に剣を持つ)。山門はもともと北側を向いていたが、国道134号線(旧湘南道路)の建設に伴い今の場所に移されている。この道路の工事中の昭和29年(1954)、近くから約60キロもの古銭が出土している。また、腰越小学校はもともとこの寺に開かれていた寺子屋が前身である。
浄泉寺