極楽寺駅から長谷の方向へ極楽寺坂を戻ると坂の途中に真言宗大覚寺派の成就院がある。正式には普明山法立寺成就院。本尊は不動明王。寺伝では弘法大師が全国を巡下した折、江の島からここにきて、虚空蔵菩薩をまつる修法を百日間に渡って行ったことから、その霊地に北条泰時が寺を建てたものと伝える。本尊の他に千手観音、地蔵菩薩、大日如来、観音像の多くに仏像のほか文覚上人裸形像がある。これは荒々しいタッチで明治の彫刻家、萩原守衛に多大な影響を与えたものとして有名である。現在、星月井の上にある虚空蔵堂はこの成就院が管理している。
なお寺の前を通る極楽寺坂は現在、車道用に掘り下げてあるが、これは明治以来の改修の結果によるもので本来の極楽寺坂は現在の成就院のところまでの高さがあったという。
山門